「よく肩が凝る」「姿勢の悪さが目立つ」「腕が上がりにくい」などの症状に悩まされていませんか?もし心当たりがある場合、あなたの肩は巻き肩になっているかもしれません。
この巻き肩は、パソコンやスマートフォンの普及した現代人がなりやすいと言われています。その理由は、それらのアイテムをのぞき込むように見ることで、肩が丸まってしまい、肩と頭が前に出るような姿勢を長時間とってしまうからです。
今回は、そんな肩の疾患である巻き肩が身体に与える影響や、原因、予防方法について確認していきたいと思います。
巻き肩とは
巻き肩とは悪姿勢の一つで、肩が前に出て内側に入り込んでいる状態を指します。
この姿勢は一見すると猫背と同じようにも見えますがこの二つの違いは肩甲骨の位置にあります。猫背も頭が前に出ることで肩こりや内臓の疾患などを引き起こす悪い姿勢ですが、巻き肩は猫背のように頭が前に出ることに加えて肩甲骨が広がり、肩も前に出てしまっている状態を呼びます。
おおげさにいえば、普段から何かに覆いかぶさっているかのような姿勢になってるということです。冒頭でも紹介した通り、姿勢がこのように固定されてしまう理由は、パソコンやスマホを長時間使うことによって、胸、お腹などの筋肉が使用されず衰え、反対に背中の肩甲骨や背筋が広がりそのまま姿勢が固まってしまうからです。
巻き肩が与える身体への影響
それでは巻き肩が引き起こす身体への悪影響について確認してまいりましょう。
巻き肩になると、胸が背中の筋肉に圧迫されます、胸が圧迫されれば肺が圧迫されるので、必然的に呼吸が浅くなります。さらに呼吸が浅くなると体内に送られる酸素が減り、細胞が衰え、体の老化を促進させてしまったり、疲れやすい体になってしまいます。
また前かがみの姿勢になることで、肩や首の周辺の筋肉に緊張が起こり、硬直してしまうので血液循環が悪化します。すると今度は酸素と栄養が体全体に上手く循環されなくなり肩や首のコリ、頭痛などを招くことになります。
さらにその状態で放置してしまうと今度は末梢神経という筋肉を操作する神経が衰え、五十肩・四十肩を併発する可能性もあるのです。
もちろん、姿勢が前かがみになっていると見た目もあまりよくありません。人は見た目が9割という著書がありましが、やはり姿勢が良いと「信用できる」「キチンとしている」といった印象を人に与えることができます。ちなみに正しくきれいな姿勢とは、背中を向けて壁に立ち「耳、肩、腰、くるぶし」の4点がまっすぐになっている姿勢だといわれています。もしも姿勢が気になる方は試してみてください。
巻き肩の予防方法
巻き肩の予防には色々な方法があります。まずは冒頭でも出てきたようにスマホやパソコンを操作する時にはなるべく前かがみの姿勢にならないように注意してみましょう。しかし、仕事で集中している時にそんな事まで気にできない。
という方も多いと思いますので、例えばタイマーを60分にセットして、タイマーが鳴ったら一度イスから立ち上がり、肩や腰、そして背筋をのばすようにストレッチしてあげると、血流もよくなり巻き肩の状態で身体が固まってしまう事が防げると思います。
または以下のような運動を日々行うのも効果があると思います。
背中を伸ばす運動:
頭の後ろで両手を組み、そのまま5~10秒ほど背中側に上体を反らせる。これをゆっくりと3セット行う。
この運動によって背中と肩の凝りがほぐれ、血流が改善し、背筋が伸びることで姿勢の矯正につながります。
肩甲骨を回す運動:
右手を右肩に乗せ、左手を左肩に乗せて、まっすぐな姿勢で座ってみましょう。その状態で肘を円を描くようにして回してあげます。左右10回を、これも3セットほど繰り返しましょう。
この運動も先ほどと同じように背中と肩がほぐれることはもちろん、肩甲骨を動かしてあげることで、姿勢が固定されることを防ぎ、自然と胸が張り、巻き肩の矯正につながります。
まとめ
今回は、パソコンやスマートフォンを長時間操作することで、肩や頭が前のめりに固まり、肩こりや頭痛、身体の老化などを招いてしまう、巻き肩について確認してまいりました。姿勢の悪さは見た目だけでなく、身体に色々な悪影響が起きることがお分かりいただけたと思います。
しかし姿勢の悪さというのは自分ではなかなか気づくことができません。なぜなら自分では立ち姿、座り姿が見えていないからです。とはいえ、肩こりや頭痛が起こっているのは事実であり、やはり原因があるものです。
普段から正しい姿勢で立ったり座ったりすることを意識して姿勢を改善し、美しい見た目と健康な身体を手に入れましょう。もしも、どんなストレッチをしても、姿勢を意識しても改善しない場合は専門家に相談してみるのも良いかもしれません。