今回は特にパソコンを使う仕事をしすぎることで発症する、過労性疾患の一つ、頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)について記事を書いてまいります。
諸外国から見れば働き過ぎ、社畜などと揶揄される日本人の労働環境ですが、労働のし過ぎは身体や心に影響を及ぼし、いつしか片方、あるいは両方に深い傷を負ってしまう場合があります。
後述しますが、頸肩腕症候群は溜まりに溜まった疲労がその発症に起因しているといわれており、使えば使うほど硬くなっていく筋肉は原因を取り除いたり、休息させるしか改善方法はありません。
今回の記事を読んでいただき、ご自身にその傾向が見られた場合は面倒がらず改善へのアクションをとっていただければと思います。それでは始めてまいります。
頸肩腕症候群とはどんな病?
頸肩腕症候群とはあまり聞きなれない名前だと思いますが、頸(けい)は首を表す漢字で、残り二つは漢字の通り、肩と腕を表しており、その部位に痛みやコリ、しびれ、手指の痛みなどを発症する病です。
冒頭でもご紹介しましたが、筋肉は使いすぎると硬くなるという性質を持っています。硬くなった筋肉は肩こりの原因になることも当然ですが、肩回りの血流も悪くなる原因にもなります。
血流が悪くなると次は溜まった疲労物質が流れていかず、徐々に肩回りに溜まりだし、これによってさらに疲労が溜まってさらに筋肉が硬くなる。という悪循環を生み出してしまいます。
またそういった不調が長く続くと今度はそれが引き金になって自律神経を乱してみたり、悪い姿勢によって内臓の機能が悪くなることで便秘や肥満になったり、睡眠障害、排泄障害、気持ちがふさぎ込みうつ病のようになってしまったりと様々な症状が引き起こされます。
頸肩腕症候群、発症の原因は?
主な原因は先ほどから登場している筋肉の硬直と心理的なプレッシャー、長時間に渡る悪姿勢などを挙げることができます。
冒頭でも挙げましたが日本の労働時間は諸外国に比べてとても長く、さらに仕事内容もミスが許されず量だけでなく質も求められます。例えばパソコン作業によって長時間同じ姿勢でいることは肩回りの筋肉の硬直を生み出しますし、ミスが出来ないプレッシャーは心の余裕をなくしてしまいます。
また企業勤めになると自分がやりたい仕事だけやっていればいいというわけではなく、会社の命令であればやりたくもない仕事が自分に降ってくるときもあります。長時間に渡る労働とストレスは今回の頸肩腕症候群だけでなく様々な疾患の引き金になります。
頸肩腕症候群を予防するには?
頸肩腕症候群の予防は「休息」と「原因の排除」が一番の近道です。先ほども申し上げた通り、企業勤めをしている限り、自分の好きな仕事だけ行っていくことは出来ません。けれど資本となる身体が壊れてしまってはやはり元も子もありません。
疲労というのは一日疲れたから一日休めば回復するというものではありません。一日に溜まった疲労は根本的な原因を排除しなければ次の日に持ち越してしまうのです、例えば寝ても眠気が冷めなかったり、一日中だるさが続いたり、集中力が著しく下がったり、身体が上手く動かせなかったり、という症状は疲労が蓄積している合図です。
頸肩腕症候群はそういった疲労の蓄積や心の病が引き金になることが多いので、なかなか周囲にも理解してもらえず、さぼっていると勘違いされてる場合が多く、たくさんの方が頭を悩ませている問題だと思います。
こういった場合、生真面目で几帳面な性格をしていらっしゃる方は仕事や私生活を上手く営めない自分にふがいなさを感じてより一層、自分を追い詰めてしまう傾向がありますが、心の問題を改善するのに大切なことは出来ない自分を認めてあげることです。
自分にもできないことがあると素直に認め、出来ればそれを他人の方にも周知してもらいましょう。たしかに最初は抵抗があるかもしれませんが、気持ちが楽になり、心理的なプレッシャーは激減していきます。
頸肩腕症候群の予防となる休息も原因の排除も難しい場合はそういった心の切り替えをしてみることをおすすめします。
まとめ
今回は長時間に渡るデスクワークや心理的なプレッシャーが引き金になって肩こりや手指のしびれ、あるいは自律神経の失調などを引き起こす頸肩腕症候群について確認してきました。
文中でも触れた通り、仕事をすぐに変更することは出来ず、日々、つらいプレッシャーの渦中にいる方はその仕事をなんとかこなすことではなく、自分自身の仕事量や心の余裕を見つめなおし、発想の転換をしてみましょう。
しかしもしも、頸肩腕症候群の症状が何か月も続いたり、どうしてもプレッシャーから抜け出せないという方がいらっしゃいましたら、当院で愚痴をこぼしていただいたり、整体によって身体の凝りをほぐして差し上げることで問題解決の糸口が見つかるかもしれません。
耐えられない身体の不調を感じた時はお気軽にご相談ください。