世界には様々な文化があります。例えばアメリカではチップの文化があったり、シンガポールでは道にゴミを捨てると罰金されたりもします、旅行好きの人のなかにはそういった文化の違いを見ることも旅行の醍醐味だと思っている方も少なくありません。
反対に日本にも周りの国からみれば素晴らしい文化や変わった文化があります、その一つが女性の「内股歩き」です。身体の健康という観点からみると内股で歩くことは膝に大きな負担を掛け、骨盤の歪みを生み出してしまう原因にもなります。
今回は左右の膝が離れていくO脚とは少し異なり、左右のすねが離れていくX脚(エックスきゃく)に焦点を当てて記事を書いてい行こうと思います。
X脚の説明と原因
冒頭でも少し内容に触れましたが、O脚やX脚はその見た目から名前がついています。両足で立ち、背筋をピンとしてまっすぐに立とうと努力しても、X脚の方は必要以上に膝がくっついてしまい、脚をまっすぐにすることができません。
O脚とは反対に、左右のふとももから膝にかけてはまっすぐで自然にくっついているけれど、膝から下のすねの間がこぶし2つ分ほども離れたり、すねの骨が身体の外側を向いているような人の脚はX脚になっているといえます。あるいはすねの骨だけが極度に内側に入り込んで内股になっている方も同様です。
X脚の原因は色々と考えられますが、その多くは生活習慣によって端を発する骨盤の歪みや、脚の筋肉バランスが悪いことが原因だと考えられます。
生活習慣というと例えば座り方や歩き方です。歩くときに、猫背になったり、どちらか一方に重心をかけたり、いつも決まった方の肩で荷物を持ったりしていると骨盤の歪みを生み出します。
あるいは座り方でいうと椅子に座る時に深く腰掛けずに浅く座る習慣があったり、脚を組んでみたり、地べたに座る時に片側のお尻・ふともも・ふくらはぎをつける女性座りをよくする方も同じように骨盤の歪みを生み出します。
また骨盤が歪むとお尻からふともも、膝、すね、かかと、がまっすぐにならず変形していくことで酷使する筋肉と怠ける筋肉が出てくるので脚の筋肉バランスが乱れていきます。
この辺りは次章で説明してまいります。
X脚の症状と早期改善の必要性
先の続きになりますが、X脚を気にする方にとって最大のデメリットはその見た目の悪さだと思います。一見して脚が変形しているとワンピースやタイトなジーンズを履くときに悪目立ちしてしまうからです。
しかし、X脚はそれだけが問題ではありません。見た目のデメリットをもう一つあげると下半身太りしやすくなります。X脚の原因は骨盤の歪みが生み出すと前述しましたが、X脚になっている骨盤はお腹側に丸まってしまう特徴があります。
その結果、ふとももの内側の筋肉で体重を支えるようになり、外側の筋肉はどんどんと衰えていきます。動かない筋肉は脂肪をためやすくなり、ふとももが太くなってしまうのです。またふとももの筋肉はハムストリングと呼ばれ、身体の中で一番太くて大きな筋肉です。
ダイエットをするにはスクワットがいい。という話を聞いた事があるかもしれませんが、あれは身体の中で一番大きな筋肉を使うとそこが引き締まるだけでなくて動かすためにエネルギーをたくさん消費するからです。
他にも骨盤の歪みは腰痛や肩こりを起こすことにも繋がりますし、俯きがちになることで内臓の機能が上手く働かないために便秘になったり、股ズレや外反母趾の原因になったりもします。
またX脚やO脚は若いうちに治せることが理想的です。なぜなら多少の歪みや足の変形があっても青年期であれば周りの筋肉が膝の負荷を軽減して日常生活を問題なく送れますが、年を重ねるごとに身体の筋肉は衰えていくからです。
若い時の習慣がそのまま残りX脚のまま老化が進むと、筋肉の補助を受けられない膝に体重がかかり、痛みが出てきたり、膝の軟骨や半月板の損傷から変形性膝関節症という疾患の引き金になったりもします。
X脚の改善ストレッチ
それでは最後にX脚を改善するための簡単なストレッチをご紹介します。前述の通り、X脚は普段の習慣の積み重ねによって起こる事がほとんどなので今回のストレッチの焦点となる股関節や膝関節が凝り固まっている可能性が高いです。
固まっている状態で無理なストレッチをすると筋肉やスジ、関節などを痛めやすいので、無理しないように行うか、お風呂上りなど身体が柔らかくなっている時に実践してみてください。
股関節を伸ばすストレッチ:
床に座り両方の足の裏をくっつけてあぐらをかくように座りましょう。次に両手で足の甲を掴み、出来るだけゆっくりとお腹側に引き寄せます。その状態をキープしたまま、ゆっくりと前のめりになりましょう。
この時、骨盤が広がっていくような感覚を意識して、両方のふとももを地面につけるように心掛けましょう。そして、「これ以上は前のめりにならない」という所まで来たらそのまま15秒ほどキープしてゆっくりと上体を起こします。同じことを3~5回、繰り返して行いましょう。
膝と股関節を伸ばすストレッチ:
今度はあおむけに寝転がり、右ひざを立てます。右足はそのままにして左足の甲を右足の膝にくっつけるように組みます。ちょうど足が数字の4を反対にしたように見えると思います。
そのまま左足をお腹の方にゆっくりと引き寄せていき、無理のない範囲で止め、この状態もやはり15秒ほどキープしましょう。今度は左右を反転して同じストレッチを行い、これも3~5セット繰り返しましょう。
これら二つのストレッチで内側に丸まっている股関節を正常な状態に戻し、X脚を改善する効果が期待できます。
まとめ
今回は、見た目の悪さだけでなく様々な疾患の引き金になるX脚について記事を書いてまいりました。
年ごろの女性にとって、きれいでまっすぐとしたモデル脚に憧れる方は少なくないと思いますが、今回の文中でも触れた通りX脚は内臓の疾患や、老化が進んでから膝に負担をかける原因にもなります。
出来るだけ日常生活にストレッチを取り入れ、立ち方や座り方なども骨盤を歪ませないように心掛けましょう。しかし、もしも今回ご紹介したストレッチをしたり、生活習慣を改めるような努力を行っても一向に改善しない場合は、原因はX脚だけではない可能性もありますのでお気軽にご相談ください。